獣医師国家試験体験記

三話(3月8日)

「教訓」
 さてさて、2日目。今日も7:30過ぎにみんなそろって会場へ。ちなみに前日は全く情報なし。今年は少ないんかねぇ? あえて漏らさんのかねぇ? ま、メーリングリストで散々情報交換してたからかな? 今日は前日の教訓から、まず見ておくべきものから見なおすことにした。昨日は最後に大事なの見なおそうと思ったら、見れないままになったからね・・・。しかし、敵もさるもの、前日の教訓からか、学生のクレームを小耳にはさんだのか、今日は「道具をしまってください」が昨日より10分ほど遅かった。ま、ちょっと助かったか。しかし、それでも道具を直した後は待ち時間が長い。受験生はおろか、試験監督さえも手持ち無沙汰の御様子・・・。

 長い沈黙の空白を経て時刻は9:30。いよいよ初の「写真」と御対面〜! う〜ん、さすがは本番! なんてクリアで美しいグラフィックだ。これまで模試やら問題やらで何度か写真問題も解いてきたわけだが、これがもう画質悪!! コピーのコピーであったり、白黒であったり、インクが薄くて何にも見えないなんて場合も。しかし、そんな問題でも問題文のヒントを読めば、実に半分以上は写真を見なくても解答することがほとんど可能だったりする。だから、本番でクリヤーな写真があれば、もう鬼に金棒。とまでは、いかんが、模試よりは断然解き易いことは間違いない。ウラウラ〜ッ!! 解きまくるぜ! ・・・ってわけでまたもや1時間前に終了。はぁ〜っ、この待ち時間が一番キツイよ、この試験の中で。

「威厳」
 午後、13:00よりD問題。いよいよ最後の戦いである。問題を解きながらこれまでの長かった6年間が走馬灯のようにかけめぐる・・・のはまだ早く、そんな感傷に浸っているばやいではない。現在持っている知識を忘れてしまう前に1問でも早く、多く解いていかねばならない!

 ところで試験中、試験監督は何をやってるのかというと、なんとも手持ち無沙汰で退屈そう。。。(本番ではこんな観察をするくらい時間的余裕があるのだ)。じ〜っと時計とにらめっこして早く試験が終わってほしそうである。ま、それはこっちも同じ気持ちなわけだが。で、時々周囲をウロウロしてまわる。一応不正監視みたいなもんだろう。まぁ当然この場で不正を行うほどの強者などまずいないので、ただウロウロして終わりである。ところで試験中、ときおり来訪者が現れる。白髪混じりで小太り、いかにも偉そうなオーラをかもし出すオジサマたちがゾロゾロと入ってくるのだ。公務員のオエライさんなのかどっかの大学の教授かなんかかはよく解らんが、とにかく試験監督の若造どもとは一線を隔していることは誰の目にもあきらかである。で、オジサマたちはざっと教室内を一周すると何事も無かったかのように出ていく。いちおう監視みたいなもんかね・・・。

「終焉」
 ・・・3,2,1! 終了〜!!  終わった。全てが終わった。何もかもが終わった。もう自分達を縛るものは何一つ無い。獣医学科6年間最後にして最大の戦いがついに終わったのである! もう全てを忘れてもいい。みな放心状態である。しかし、のんびりしているヒマはない。急がねば電車がなくなるのだ。小学生の時から言われていたであろう。「オウチに帰るまでが、国試なんだよ!」。無事に帰還できなければ、これまでの苦労は水の泡だ。万一電車に乗り遅れたらウン千円はたいてこの地にもう1日留まらねばならなくなってしまうのだから・・・。ゆっくり休むのは帰りの電車の中でね。

 中にははるばる博多まで来たのだからもう1泊して遊んでいく者もいる。諸君らもそうしたいなら早めにホテルを予約したり「るるぶ」でも買って下調べしておくと良い。試験勉強の合間にね・・・。オイラは福岡出身なんで直で大学の方には戻らず、ひとまず実家に骨休めに帰ることにした。帰りの電車の中ではもう放心状態だったね・・・。ちなみにその時の自信ってのは「う〜ん、、、たぶん受かりそ」って思ってた。全体的に難しいって感じではなかったから。試験の前から思っていた。ちょっと難しければ不合格。やや簡単ならたぶん合格、という微妙なラインに立っているだろうと。で、手応え的にはま、簡単ではなかったが、難しくも無かったかな、と。

 まぁとりあえずはしばらくのんびりするか。大学生活残り僅かな快適ネット生活をたっぷりエンジョイしよっと。


第ニ話  第四話