遠くへ逝きたい〜鳥取〜
〜知らない県を 歩いてみたい〜
〜どこか遠くへ 逝きたい〜
「遠くへ逝きたい」 今回は(つーか、初めてなんだが)自然の宝庫、山陰・鳥取の魅力を、余すところは結構ありながら、御紹介していきます。獣医学科のある鳥取大学もあり、獣医師を志す方々にも必見っぽいかもしれないです!!
獣医学科のある大学は数が少なく、全国散り散りに存在する。そのため、ほとんどの新入生は実家から離れて一人暮らしをすることとなるだろう。6年間も暮らす町、どんな町なのか事前に知っておいて後悔しない大学(町)選びをしたい!という人もいるかと思う。なんで、ここでは鳥取大学獣医学科に通っていたO氏(が、学長じゃないわよっ!べ、別人っていう設定なんだからねっ!本当よっ!フ、フンッだ!)
の体験談を元に鳥取という処について多少私見をつづっていく。ちなみに氏は学生時代は車などもっていなかったので大学のある鳥取市からほとんど出たことがないので、あんまり広く詳しくは述べられない。
鳥取の地理
鳥取県。日本地理を習っていない人が果たしてどれだけこの県の正確な場所を知っているだろうか。日本地図を見て鳥取と島根の区別がつくかどうか、鳥取と取鳥の区別がつくかどうか確認してもらいたい(Wikipedia参考)。鳥取県は本州の中国地方に属する県であり、北は日本海、南は中国山地により隔てられている。中国地方の瀬戸内海方面を山陽地方と呼ぶのに対し、誰がつけたか(島根県と並んで)「山陰地方」と俗される。山の「陰」である。なんともダークでマイナスな呼び名であるが、まさに言い得て妙である。実際に住むと「山の陰」という呼び名がこれ以上ないピッタリな呼称であることがわかるが、詳しくは後々述べていく。
県庁所在地は鳥取市であり、県の東端に位置する。鳥取県は南北を山海で境されているため、横長な県となっており、主要都市は海沿いの東西にのびるメイン幹線道路である国道9号線沿いに存在する。鳥取市に次ぐ都市は鳥取大学医学部がある米子市である。米子市は県の西端に位置し、鳥取市とは真対極に位置する都市であり、鳥取市から米子市までは約90km、車および汽車で2時間弱程度である。ちなみに、鳥取市の経緯は東経134度、北緯35度(これは東京・名古屋とほぼ同緯度。ちなみに福岡市は北緯33度、札幌市は北緯43度)。
鳥取の気象
鳥取は非常に四季が豊かな県である。海外からみれば日本自体が四季が豊かな国であるのだが、鳥取は夏は猛烈に暑く冬は猛烈に寒いという極端な四季なのである。こんなことを言うと、日本全国、沖縄や北海道を除けば夏は非常に暑いし、冬は非常に寒いだろと言われてしまうが。。。鳥取の夏は普通に暑くて連日30度以上の真夏日を観測することは珍しくなく、35度近くになることもしばしばある。冬はおおむね摂氏2、3度程度でマイナスになることもある。この程度ならあまりたいしたことないんじゃネーノ?と思われるだろう。しかし、鳥取の気候の最大の特徴その「冬」にある。なんと、雪が降るのである!(当たり前だ)
鳥取の地理でも述べたが、鳥取の緯度は北緯35度。福岡よりもちょっぴり北に位置する程度で、北海道や豪雪地方と言われる東北に比べるとかなり南方に位置する。すなわち緯度は比較的低い部類になるのだ。しかし、その緯度の低さにも関わらず、その積雪量たるやかなりのものなのである。20、30cm積もることはザラであり、数日雪が降り続くと数十cm、人が立ち入らない処では市内でも1m近くの積雪になることもあるのだ(しばしば全国のニュースにも登場する)。歩道はちょっと雪がつもると歩行困難になり、みんな避けて通るため積雪の上にさらに新積雪が重なるという悪循環でガードレールまで完全に雪で埋もれてしまい、歩行者は車道の隅を歩くしかない。冬場の車道は人・車が行きかうキケンロードなのである。大通りは雪が積もった翌日までには除雪車が手早く出動して雪をどけてくれるので、さして問題はない。だが冷静に考えると、この緯度で県庁所在地内で除雪車が出動する都市が果たして他にあるだろうか。。。
しかし裏道や細い道などは除雪車が入ってくれないので雪が積もり、車に踏み固められ、日中は少し溶けて夜間に凍る、を繰り返すため、道路は完全なスケートリンクとなる。大げさでなく、アスファルトの上に10cm近い厚さのガチガチの氷が張っているのだ。そしてこれがまたなかなか溶けない。徒歩や自転車で大学に行くのも一苦労である。同緯度の他都市に比べるとおそらく圧倒的な積雪量をほこるだろう。そして冬の気温は寒い。日本海が近いので風が強く、冷たい空気が皮膚を切るように吹き付ける。寒いというより痛いのだ。鳥取の冬はこのようにかなり厳しいものだが、どうも世間にはあまり知られていないようで、こういう話をすると「え、鳥取の冬ってそんなに雪積もるの?」とよく驚かれる。まぁ、普通に生活していれば鳥取県に興味を持つことなどまずないだろうから。
また鳥取の気象の特徴として「日照時間」すなわち太陽の陽が照っている時間が極めて短いということがある。学生の頃は、全国最下位だとかいう話も聞いたが多少大げさだったかもしれない。近年の結果では日照時間は47都道府県中全国で40位前後のようである。最下位ではないが、そうとうな下位、日照時間の少なさだ。しかも、40位以下はほとんどが北海道・東北勢という日本有数の豪雪地帯が占めており、鳥取県が本州内でも比較的南部に位置するわりには圧倒的に太陽の出ている時間が少ないということがわかる。特に冬は顕著で、「2週間曇りっぱなしでお日様の姿を一度も見なかった」という逸話も大げさではない。乾燥機のない人には洗濯も大変である。また、この日照時間の短さゆえ、雪が積もったり氷が張るとなかなか溶けないのである。。。
鳥取の情報
県総人口は約60万人、これは全都道府県で日本一の人口の少なさである。大学は鳥取大学の他には鳥取短期大学しかなかったが、2001年に鳥取環境大学が開設された。大学が3つしかなく、それぞれ離れているため、都会のような大学同士の交流はほぼない。
鳥取は農林水産物が非常に豊かである。山、砂漠、海とさまざまな自然に恵まれており、梨、らっきょう、長芋等の山の幸と、特にズワイガニやイカを始めとした日本海の幸が豊富である。
鳥取で最も有名な著名人の一人として名探偵コナンの作者である青山剛昌氏がいる。氏の出身地である北栄町(旧大栄町)にはJR由良駅に「コナン通り」とよばれるコナン像を設置した観光ストリートとコナン大橋がある。また、鳥取県の西端に位置する境港市はゲゲゲの鬼太郎でおなじみ、水木しげる氏の出身地であり、様々な妖怪像が設置された水木しげるロードなる名所も存在する。いずれの名所も熱心なファンによる?像の盗難や破壊がしばしばあるようなので、マナーをもって見学しよう。
県下第二の都市、米子市の面積は鳥取市の18%程度にすぎないのだが、人口は15万人以上(鳥取市は20万人)で人口密度は県庁所在地よりも圧倒的に高く、鳥取大学医学部(医学部1つで鳥取市にある鳥取大学本キャンパスをあらゆる点ではるかに凌駕するスペック)や米子空港、高速道路網の発達により県庁よりも栄えているんじゃないかという錯覚すら覚える。
県人口の少なさ日本一、梨生産日本一、らっきょう生産日本一、ながいも生産日本一など数々の日本一がある鳥取であるが、おそらく最も日本中に知られていない日本一が鳥取にはある。それは、、、鳥取には「日本一大きな池、湖山池」があるのである。日本一大きな湖といえば小学生でも知っている琵琶湖であるが、日本一大きな池を知っている人はそうそういないだろう。覚えておいてほしい。日本一の池は鳥取大学横にたたずむ湖山池なのである!(池と湖の違いは深さとかが関係してるらしい) ぜひ明日のトリビアに使って頂きたい(Wikipedia参考)。日本広しといえども、池に浮かぶ島にキャンプ場がある池などまずないのではなかろうか。。。
またこれも知られざる日本一?であるが、鳥取は「獣医学発祥の地」、すなわち日本で一番に獣医学が始まったとかいう無理やりこじつけのような話もあったりするのだ(詳しくは因幡の白兎にて)。
鳥取の自然
鳥取は北に日本海、南に中国山地と海山の自然に恵まれている。しかも、鳥取県は横長な県で南北距離が短いため、海へ行くにも山へ行くにも近いのだ。北に広がる日本海は、埋め立て工事されている海岸は他海岸都市と比べると少なく、砂浜(と断崖)の比率がかなり高い。海水浴場は海沿いの至るところにあるが、ぶっちゃけガケと港以外では何処でも泳げるといっても過言ではないくらいである。そのため海水浴やダイビング、ジェットスキー、サーフィン(冬のが良い波が多いとか)や海釣りなど一年中、海岸全域でありとあらゆるマリンレジャーが楽しめる。そしてたまにサメも出現する。一方、南部に目をやると大山や蒜山高原など山でのアウトドアレジャーに適した場所も多く、夏はハイキングやキャンプなどが盛んである。冬にはスキーなどウィンタースポーツのメッカとなり、県内外から多数の人が訪れる。
一方で、鳥取県内にはテーマパークなどのレジャー施設というものがほとんど存在しない。しかし、前述のように自然のアウトドアレジャーに適した場所が数多く存在し、自然好きな人は一年中たっぷり楽しめるのだ。よく田舎などで長所がなくて仕方なく「良い所は自然が豊かな所」という場合などがあるが、鳥取の場合は「自然が豊かなことが本当に長所」であると言えるだろう。ちなみに、観光名所として最も有名な鳥取砂丘があるが、これは砂漠ではなくいわゆる巨大な砂浜であり、砂と丘以外特に目ぼしいものはない。観光用にラクダがいるが、砂漠ではない(ちなみにこのラクダは鳥大家畜病院の常連)。初めて見ると少し感動するが、二度目以降は特に何も感じない。本当にいわゆる「ただの観光名所」なので一度行けば十分である。別に行って何か楽しめるわけでもない。海岸側ではパラグライダーやハンググライダーなどが行われているようである。
鳥取の交通
メインの幹線道路は鳥取自動車道、米子自動車道、山陰自動車道。一応、前述の高速道路があるのだが、実際にはその入り口等が県内にあり、県外に向けて一部道路が走っているだけで県内、特に鳥取〜米子間をつなぐような高速道路などは走っていない。鉄道はJR山陰線が鳥取県を横断する。山陽から山陰へ渡るためにはこれら道路か鉄道により中国山地を縦断しなければならない。冬場は豪雪で車での通行は極めて困難となるため、陸の孤島山陰にとっては鉄道が唯一無二の外界との交通手段となる。ちなみに鳥取(をはじめ冬の厳しい地方)の鉄道は冬場になると乗降ドアは自動ではなく手動になる。これは自動だと人の乗り降りがなくてもドアが開きっぱなしとなり寒いため、乗り降りする時だけドアを客が手動で開閉して暖房効率をあげるという極寒地域の知恵である。
また、山の陰ではあるが一応、空路も存在する。県庁である鳥取市には鳥取空港、米子市には米子空港が存在する。同一県内に2つも空港があるというのはなかなか発達しているかもしれないが、ターミナルビルと発着便の貧相さは2つ合わせても他所の1空港にもおよばないかもしれない。鳥取空港は鳥取大学の北部に位置し、近いため自転車でも行くことが可能である。発着便は東京(1日4便)および名古屋(1日1便)のみである。季節によって特別便で本数が増えることもあるようだ。
鳥取の市街地
鳥取駅を中心に北側に市街地が栄えている。アーケードもある鳥取商店街であるが、PM7:00過ぎになるとほとんどの店が閉まるため、閑散とした景色となるのは県人にはお馴染みである。開いているのは飲み屋とパチンコ屋くらいか。それでも駅周辺はそこそこ栄えており、いろんなお店もある程度あり、よほど都会派志向でなければそれほど不自由はしないかもしれない。むしろ不自由するとしたら、大学前〜鳥取までの電車が1時間に1、2本しかないということだろうか(バスもある)。市街地にある鳥取県立図書館はけっこう大きく蔵書も豊富で利用価値は非常に高いが、鳥取駅から遠いのが難点。
大学周辺
大学周辺は鳥取市街中心地とは結構離れており(2駅分)、1990年半ばまでの大学周辺は閑散としたものであった。学生相手の食堂、スーパーマーケット、下宿などが並んだ地味な学園通りであったが、1995年に大学の目の前に「JR山陰線 鳥取大学前駅」ができ、大学周辺の交通の便は飛躍的に向上した。また、ローソン、ポプラといったメジャーコンビニの県内進出も増え、大学から徒歩数分内に店ができ便利になった(ちなみにセブンイレブンは県内に存在しない)。TUTAYAも大学前に存在する。大学を中心とした小さな町として徐々に発展していき、獣医学生活6年間を過ごすにはある程度充実した生活を送れるだろう。電器屋(ベスト電器、デオデオ、ヤマダ電機、100万ボルト)も充実、100均ダイソーも存在、スーパーやホームセンターも多く、およそ普通の生活をするには不自由することはないと思う。自動車学校も市内に3つ存在し、在学中の免許取得も容易である。しかし、カラオケやボーリング等以外の大きな娯楽施設はほぼ皆無であり、遊園地も存在しない。またドンキホーテや東急ハンズ、ヨドバシカメラ等といった都会に定番の店も当然皆無である。
まとめると・・・
鳥取県が田舎か都会かというと圧倒的に田舎であろう。オシャレな都会暮らしを夢見るシティボーイ&ガールにはハッキリいってかなり不向きな都市であろう。他の大学との交流もない=出会いが少ない、交通の便が悪く県外に出るのも一苦労。さらに自然は多いが気象環境はけっこう厳しく軟弱者には辛いかもしれない。小粋でナウでオサレなカレッジライフをエンジョイしたい人にはDANZEN!お勧めできない。がんばって都会の大学に行ってほしい。
都会嫌い、自然大好き、のんびりした暮らしがしたい、スキー好き、マリンスポーツ好き、生活費をあまりかけられない、大学行ければどこでもいいという人には、自信を持ってお勧め・・・とまでは言えないがかなりいい町だと思う。そしてこれらのデメリットを逆手にとったメリットとして、「陸の孤島といわれる山陰の田舎な都市の大学」であるため、獣医学科入学志願者が例年他大学に比べて圧倒的に少ない、すなわち自ずと倍率・難易度が低くなる入りやすい大学であることがあげられる(前期倍率約3〜6倍程度)。これはとにもかくにも学費の安い国立獣医に入りたい!という人にはいい傾向だろう。
