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 ここでは獣医に関連する書籍について紹介していきます。 といっても人に紹介できるほどあんまし本読んでないので、「んなもんとっくに読んどるわい!」という声もあるかと思いますが、とりあえず無視して進めますのであしからず・・・。
 なんか最近、獣医漫画が増えてきてますね。「動物のお医者さん」もドラマになったし。新たなペット&獣医ブーム到来の予感。獣医学科に入るなら今のうちだ、浪人してるヒマはないぞ!!?

(ノンフィクションものは図書館などで見つける事が出来ると思います。)



コミック関連


「MF動物病院日誌」  マンガ
 連載中 たらさわみち 「月刊 Lady's Comic May」 1996〜 少年画報社
 動物病院で働く熱血女性AHTを主人公とした動物病院での日常を描いたストーリーでこれまでの獣医師のマンガの中では一番リアルな設定。大体は一話完結で、ストーリーやキャラなど作品の質は非常に高い。監修しているのが動物病院の現役獣医師なので、人間とペットをとりまくリアルな問題(ペットの病気や怪我・安楽死、ペットロス、動物愛護、ブリーダー問題etc)を中心に現代社会にリンクさせたよく練られた面白いストーリーでかなり引き込まれる。純粋な獣医マンガとしては不朽の名作「動物のお医者さん」を超えているだろう。これはほんと、オススメです。不覚にも涙が滲むような泣かせ話も多いが、あからさまな臭い泣かせ話ではなく好感触。
 ちなみに、レディコミではあるがいわゆるレディースで連想しがちな、きわどい描写などもないので(たまに多少それっぽい場面もあるが)、健全な中高生でも安心して読めます。しかし非常にマイナーな出版社なので小さい本屋などでは売ってないかもしれない。男もちょっと買いづらいかもしれない。そんな時でも現在はネットショッピングがあるから便利だね。・・・しかし、このマンガを読むと「動物のお医者さんになりたい!」って人がますます増えやしないかと心配。 (たらさわみち先生の最新情報は公式サイトで!)
 (2006年7月 単行本24巻まで)



「獣医ドリトル」  マンガ
 不定期連載中 作:夏緑 画:ちくまきよし 「隔週刊 ビッグコミックオリジナル」 2001〜 小学館

 主人公、鳥取健一は「獣医はビジネス」が口癖の、金に汚く飼い主に厳しい極悪非道の凄腕獣医という、どこかで聞いたような設定。・・・そう、BJ(ブラックジャック by手塚治虫)の獣医師版みたいな感じだ。ストーリーは一話簡潔でIWAMALライクなヒューマンドラマチックな作風。IWAMAL同様、動物好き好きだけじゃダメだと、動物と人間の関係をウ〜ンとうならせてくれる作品で、なかなか読み応えがあっておもしろいと思う。オイラはこういう作風が好き。獣医を目指してるんなら読んでみたほうがいい。難点は不定期連載で非常に掲載の間隔が長い・・・。2001年から連載が始まって6年目でコミックは3冊・・・。2年で一冊ペースかよ!冨樫先生も真っ青の超スローペースだが未だ連載は続いているようなのでマターリ続巻を待つべし。
 (2006年7月 単行本4巻まで)


「WILD LIFE」  マンガ
 連載中 藤崎聖人 「週刊 少年サンデー」 2002〜 小学館
 主人公は絶対音感を持つ獣医師で、物言わぬ動物達のどんな異常も音で聞き分ける!というアイデアはなかなか斬新でおもしろい設定の作品。しかし、連載当初はなんじゃこりゃ・・・10週打ち切り最有力候補漫画だな。。。と思っていたがあれよあれよと連載4年目に突入。獣医師の監修も入ってストーリーもまぁまともになってきたが、まだまだ実情が大げさに誇張された表現や、ありえねー表現なぞが多く、最後は主人公の熱血と奇跡でどんな動物も救われる!という、まぁ少年漫画な内容である。しかし、連載が続くにつれてストーリーもキャラも立ってきて、漫画としても見違えるように面白くなってきた。現在、獣医大学編が連載されてるが、あんなデカい獣医学科や付属家畜病院
(一大学の一学部棟に匹敵するサイズ)などありえなさすぎだし、外科や内科が第一、第二と分かれるほど教官もいないし、いくら大学病院といってもあそこまでひどい体質や教授なわけではないので信じすぎないように(実際はあの内容の1/10くらい薄めたもの)。しかし、あいかわらず絶対音感?を生かした無理のあるストーリー性をはじめ (呼吸音や心音の異常を絶対音感で聞き分けるって・・・そんなもん個体ごとに正常な音程自体が違うだろうにどこで異常と聞き分けるんだ? だいたい患畜は初めて診る相手がほとんどなのにその患畜の正常な音と異常な音の違いがなんで判るんだ? そもそも作中のは絶対音感じゃなくて「るろうに剣心」に出てくる盲剣宇水の「異常聴覚」だろそれ!というシーンも多々あるし・・・) 、獣医学的にもツッコミ所満載だが、天下の小学館、少年誌サンデーなので大目に見てください!!
(2006年7月 単行本18巻まで)


「動物のお医者さん」  マンガ
 全12巻 佐々木倫子 「花とゆめ」 1988〜1993 白泉社
 今さら紹介するまでもないと思うがあえて紹介させてもらおう! 某H大学をモデルに、主人公が獣医学部を目指す所から開業にこぎつける?までの日常学生生活を描いた、獣医学生にとってバイブルともいうべき不朽の名作。昨今の獣医志望ブーム(特に女性)の火付け役となったのは有名で、そのおかげで獣医学科の倍率・難易度が跳ね上るという社会現象まで引き起こしちゃったから、さぁ大変! 学長が受験したのは、正にそのピークの真っ只中だったとか・・・。
 佐々木氏の繊細な絵のタッチと、無表情な主人公。リアルに描かれたストーリーと、氏独特のシュールなユーモアセンスがじわじわと笑いを誘う、漫画としても非常に完成度の高い一品!! かなりハマリます。最近はスピリッツで看護婦もの、今はレストランものを描いているんで、氏の独特の世界観に浸ってみてはあいかが?
 現在は同社から文庫版(全8巻)が出ていて男性諸君も普通に買えるが、学長の頃はバリバリの少女マンガコーナーにあったので、周りをキョロキョロしながら買わなければならなかったのが今では懐かしい・・・。
 獣医学部を目指す中高生なら絶対買っとけ! そんで20回は読んどけ! 獣医学部じゃない人も3回は読んどけ!



「IWAMAL/岩丸動物診療譚」  マンガ
 全9巻 玉井雪雄 「ビッグコミックスピリッツ」 1997〜2000 小学館
 こちらは開業獣医師?を主人公とした獣医マンガ。しかし、同じ獣医ものでも内容は上記作品とは、天と地ほどの差がある。(こっちは真面目な本格的ヒューマンドラマ。)主人公・岩丸は、ペットから野生動物(こっちのが多い。っていうかムツゴロウさんよりすごいよ、多分。)まで幅広い治療技術と知識を併せ持ち、世界中を飛び回る凄腕の獣医師。こんな獣医師いねーよ!!ってくらいスゴイね。
 作中で何度も取り上げられる「人間と自然・動物の関係」については非常に考えさせられるものがありますねー。獣医を目指す人達の理由は「動物が好きだから!」「動物の命を救いたい!」というものが多いと思うけど、それだけが獣医師ではないということを深く教えてくれる作品です。 一般の人にも一読の価値有り!! 人間と動物との厳しい現実世界を垣間見ることが出来るでしょう。
   番外編として助手の綿吹が活躍?する「岩丸番外編 WATABUKI 全1巻」もあり。


「Dr.さくらの動物カルテ」  マンガ
 全3巻 高村加南 「Be・Love」  講談社
 最近知った漫画。雑誌自体はやや子供向けな感じの雑誌で、そこに連載されていた数年前の作品のようだが、そこそこ高評価なようで、機会を見つけて入手して読んでみたいと思います。・・・が、現在絶版で入手困難の模様! → その後、ヤフオクで定価+αでゲット成功。
 1998年の漫画の割りには何だか
絵柄がやや古臭く感じるが、内容は絵柄から子供向けな易しいストーリーかと思ったら、なかなかしっかりとは作られている(獣医も監修)。柿沼さくら獣医師(娘有、夫は単身赴任中)の動物病院での日常を綴った一話完結物語。MF動物病院日誌に似た雰囲気だが、子持ちということで娘がしばしばストーリーに深くからむこともあり、MFをもっとかなーり柔らかくしたような感じ。入手困難なので入手は大変かもしれないがそこまで必死こいてがんばって手に入れなくてもいいかな(MF読んどけば十分)。ダイソーコミック26〜28で再販されているようので運がよければ300円で入手可能。300円ならお買い得だ! だが、いくつかダイソー探したが全然見つからなかったので現在はダイソーでも入手困難か!?


「コミックに見る獣医学部の研究」  エンタテイメント
 札幌H大学獣医学部研究会著 1994 データハウス
 当時の現役H大生が漫画「動物のお医者さん」について書いた番外本みたいな感じ? 漫画に登場したキャラのその後なんかについてなんたらかんたら書いたりしてるが真相はさだかではない。っていうか、あのキャラたちにはモデルがいたんだろうか? そういう前提で書かれてるみたいだけど。獣医学部自体の裏話みたいなものもチラホラ。
 ただ一つ・・・素人学生が文を書いただけあって非常に読みづらい! 変な日本語が多い! 読むのに疲れる! また、内容がH大についてなので(うちわの同人誌っぽいね)、知らない人にはさっぱり解らんエピソードも・・・。(ただ一つじゃないな・・・)「私はアクマでもH大を目指すんだ!」という頑固者には、やる気促進剤となるかも?
 今は書店ではおそらく見つけることは出来ないだろうが、古本屋に行けばあるかも。学長はBookOffで200円で見っけたので買ってみた。もし正規の書店で見っけても定価1000円もするのでサイフと相談しよう。



その他、獣医が関連するような漫画

 ガウガウわー太 梅川和実 「週刊 コミックバンチ」 全11巻 新潮社
 中村橋動物病院の犬 高倉あつこ 「アクション」 全6巻 双葉社





ノンフィクション読み物

「獣医師になるには」  How To
 木村まゆみ・中村貴子 「なるにはBOOKs 68」 1992改訂版 ぺりかん社
 ずばり獣医師になるためにはどうしたらいいのか、獣医師はどんな仕事をするのかが簡単にまとめられた本。「獣医師=動物のお医者さん」だけではないということが解るよん。ほかの出版社からも同様の「なるにはシリーズ」系の本が出てるので、自分の気に入った物を読んでみて。(ま、どれも同じような物と思うけど。)学長はこの本を買いました。
 受験勉強に疲れた時に読めばちょっぴりやる気が沸いてくるかも。獣医学部を目指す中高生なら、とりあえず読んどけ。 買わなくても、この手の本はたぶん図書館にもあると思うよ。学長の田舎町にはあったから・・・。 


「動物病院のヒソヒソ話」  エンタテイメント
現代情報ネットワーク編 「青春BEST文庫 おもしろ事情通シリーズ」1998 青春出版社
 現役獣医さんの小話をまとめた本。直接獣医学部と関係するような内容ではないが、ま、読み物としては面白かったです。(上記作品と比べると破格に読みやすい!プロだから当たり前か・・・。)
 動物病院は本当に大変だってことが解るかも。(飼主とのやり取りとか、変なペットが来たりとか)500円程度で売ってるので買って損は無いかな?


「動物のお医者さんになりたい」  ノンフィクション
 石井万寿美 1996 コスモヒルズ
 筆者はアニマルライターとして新聞や雑誌などでよく書いている人らしい。2年程前に読んだヤツなので、ちょっとうろ覚えだけど、酪農学園大学に入学して国家試験を終えるまでの筆者の大学時代のトピックス(主に実習風景)をつづったモノ。北海道だけあって、実習は酪農や畜産系のものが多いみたいです。
 実習風景や、その時(動物を殺す時)感じた事などについても細かく描写されています。たぶん、この当時は女性はまだそんなに多くなかったと思うんだけど、その中でがんばっている姿が浮かびます。これから実習が始まる人たちなんかも読んでみると良いかも。
 なんか、続編もあるようです。


「野生の国の獣医」  ノンフィクション
 ディヴィッド・テイラー著 武者圭子訳1992 三省堂
 野生動物医療コンサルタントである著者(もともと動物園獣医師)が、野生動物の獣医として世界中を飛び回る姿をつづったモノ。まるでIWAMALのようなお人。(モデルなのかな?) 日本ではそう聞けないゾウ・サイ・イルカ・クジラなど様々な動物との奮闘する様子が描かれてます。
 獣医を目指す人の中にも、野生動物や動物園に関係する職につきたいと思う人もいるかもしれないが、実際この日本では、それはいろんな意味で非常に難しいコトです・・・。



この他、「学長のセレクションはダメだな〜。もっとお勧めの本があるぜ!」って人、ぜひ紹介して下さいな。




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