獣医学科の就職活動
(臨床研修編)



 獣医学科の就職先と言えば、動物病院(俗に臨床系と言う)! 将来、一国一城の主となるべく、勤める病院はどんな所を選べば良いのか? どうやって探すのか? 全ての獣医学生&獣医志望者必見の書!というほどでもありません。


獣医学科の就職活動(臨床研修編)
 臨床獣医師希望者達は6年生ともなると、就職活動を兼ねた臨床研修をおっぱじめ始める。早い人で春休みから夏休み中にかけて、だいたい4〜5件から多い人では10件以上は見て回る(予算と相談。オイラは一昨年、昨年と2件見て回った)。6年生如何に関らず、長期休暇中ともなると病院やら農協やらへ見学に行く下級生も多いが、6年生のこれは就職先を探す事も前提であるので熱の入れようも違う。このため、ある程度自分の興味のありそうな所をピックアップして回る。回る先は大学に来た求人案内、HPや電話帳などで自分で探すなどして調べる。今後一生を左右するかもしれないので、少しでもイイ病院を見つけるためには努力を惜しんではならない。
 大学には動物病院の求人は毎年山のようにやって来る。そもそも動物病院の勤務医ってのは2〜3年のローテーションでやめていくので、空きはいくらでもできるのである。さらにやめてった人が新たに開業すれば、またまた求人先が増えるし。そんなわけで獣医学科、特に臨床獣医師希望者はこの就職難の時代においても職にあぶれるような事はまず無い。無論、ぜいたくな選り好みしなければ・・・あと、獣医師免許取得が前提だけど。

 俗に病院巡りと言われる就職活動を兼ねた臨床研修、果たしていい病院の見つけ方とは? 一番重要視されているのは、「どのくらい使ってくれるか?」 これは何なのかというと、どのくらい実際の現場で自分を使ってくれるか、つまり場数を踏ませてくれるかというもの。病院によっては最初の数ヶ月〜1年間は雑用ばかりという所もあり、一方では入っていきなりバリバリ使う所もある。これは院長の考え方によるものであり、たいていの人はやはり、いずれは独立開業を目指しているので、バリバリ使ってくれる所が人気があるようだ。ただ、それはそれで休み無いほど大変なんだが。
 そして病院の雰囲気や給料、休暇日数などが次にやって来る。さらに重要なのが場所である! 自分が開業するつもりで、開業場所を決めている(実家とか近所とか)ならば、そこからなるべく離れた所、できれば市外・県外が望ましいところである。自分の開業予定地の近くで働くということは、いずれ将来的にその病院とはライバルとなってしまうというコト。そこは暗黙のルールでこちらもそんな所へは就職せんし、院長さんもそんなヤツは雇わない。これらの条件を元に学生達は次々と病院探しの旅へと旅立っていくのである。

 実際、採用はどんなもんかというと、聞いた話では研修(見学)してから、一応履歴書を提出し、簡単な面接みたいな事をやり、たいていはその場で「そっちが良かったら来るかい? 近日中に返事ちょうだい」って感じらしい。「残念だけど君は来なくてイイよ」ってパターンはあまりないようだ。他の学生と競合するってこともそんなにはなさそうだ。また、とある人は、学校に講師として来ている先生に、その明るさと人当たりのよさを見初められスカウトされて決まった。やはり病院側が欲しがるのは、成績がいい、真面目で仕事がこなせる、って人よりも、明るくて人当たりのいい人がお望みのようだ。臨床獣医ってのは、もう接客商売。一説では究極のサービス業(サービスオンリー)と言われているほど。動物を愛する心だけでなく、接客の能力も獣医師には大切な能力なのだ。無愛想な先生には見てもらいたくないでしょ?

 ちなみに、臨床獣医師になるなら当然獣医師免許が必要なワケだが、院長先生によっては試験落ちちゃっても助手として雇ってくれる場合もある。助手として臨床的な知識を身につけながら次の試験で受かって正規採用ってわけだ。そこらへんは雇い主と相談してみよう。でも、翌年も落ちちゃったらたぶん解雇だろうね・・・。