誤解だらけの獣医疾病学
獣医学では様々な病気について習う。しかし、その中にはこれまで全く聞いた事のないような、一般の人々が聞いたらあらぬ誤解を与えてしまいそうな、あるいは全く想像もつかないような病名も少なくない。そこで誤解編と正解編とに分けて珍病・奇病をご紹介していく。
(先の誤解編は全て大ウソですよ、念のため。)
正しい疾病理解編
アカバネ病:牛、羊、山羊
ウィルス感染症で妊娠中の牛・羊などに感染した場合、流産・早産や、生まれた仔牛の奇形を引き起こす。ウィルスはカなどによって媒介される。
イバラキ病:牛
イバライウィルス感染により、発熱・口腔粘膜の充血・潰瘍を起こす。舌・咽喉頭麻痺(ノドの麻痺)により、水が飲み込めなくなり脱水により死亡する。
コバルト欠乏症(くわず病):牛
チュウザン病:牛、山羊
チュウザンウィルスの胎児感染によって起こる無脳症、小脳形成不全などを起こす疾病。流産は起こさず、産まれた仔牛は神経症状を示す。
旋毛虫症(トリヒナ症):犬、熊
旋毛虫という寄生虫の寄生により腸炎、筋炎を発生する疾患。寄生している動物を食べる事により感染する。
ハイエナ病:牛
様々な原因(ウィルス感染、遺伝、ビタミンD過剰)により体の後部(特に後肢)の発育遅延が起こり、背部から後部にかけて下降し、ハイエナ様姿勢を示す。
フォヒト-小柳-原田症候群:牛、猫、マウス
メラニン(色素)などへの免疫の異常によって起こる人のまれな疾患であり、脳炎やぶどう膜炎などを特徴とする。いくつかの犬種に類似疾患が遺伝的に発生する。
ぶどう膜炎:いろいろ
眼球の毛様体・虹彩・脈絡膜をあわせてぶどう膜と呼ばれる。これら炎症を起こした状態をぶどう膜炎と呼ぶ。ウィルスや細菌、寄生虫などの感染により炎症が起こる。
ブルセラ病:牛、豚、羊
細菌感染により妊娠雌では流産、不妊など、雄では精巣炎や関節炎などを起こす。ブルセラというのは細菌の名前。
豚繁殖器・呼吸器症候群(ヘコヘコ病):豚
ウィルス感染により呼吸器症状(肺炎)と繁殖障害(早産、死産、虚弱豚)を示す疾病。背中を丸め、腹式呼吸をして、やせて衰弱死する様子?からヘコヘコ病と俗称される事もある。
マレック病:鶏、うずら
ウィルスによる鳥類の悪性リンパ腫(癌)で、末梢神経が侵され脚麻痺などを示す。
水中毒:牛
大量の飲水によって血液の浸透圧が低下するために、赤血球が破壊されて赤い尿が排泄される。その他の著明な症状を起こす事はマレである。
ワラビ中毒:牛
牧牛の放牧時などでワラビを持続的に多量に摂取した場合、ワラビに含まれる成分により体内のビタミンBが破壊され末梢神経炎を起こし、また貧血も起こす。人ではそれほど大量に毎日毎日食べる事は無いので心配は無い。
