新入生歓迎コンパ

 4月といえばどこもかしこも新入生シーズン。新入生といえば、そうアレだアレ。新入生歓迎会! まぁどこの大学でも行われるだろうが、当然学長のいた某大学でも行われるわけで。本大学の新歓コンパは代々、伝統的に野外でやる。わりと近くに海があり、そこの砂浜にビニールシートを広げてそこで行われるのである。
 新入生歓迎会は新入生と上級生が顔合わせを行うという、毎年恒例の神聖な儀式の日であり、基本的に新入生はいわずもがな、上級生や先生達も用事がなければ欠席することは許されない、ある種、獣医学科において最も重要なイベントともいえるかもしれない。
 開催は4月中旬の土曜日。基本的には現地集合現地解散である。しかし、まだまだ右も左もわからない新入生達にはなんと送迎用のバスが準備されるのだ(新入生を逃がさないために・・・ヒヒヒ)。開始予定時刻は11:00くらいからなのだが、獣医学科のイベントというのはだいたい予定時刻から1時間遅れで始まるものと相場は決まっているので実際にみんながそろって始まるのは12:00過ぎである。まぁ、それを見越して開始時刻は早めに伝えられるわけだが。会場には酒、ジュース、菓子類は元より、昼の弁当まで用意されているので、参加者は手ブラでちょっとコンビニにでも気分で気軽に参加することができる。

全員集合
砂浜で全員集合!
 まずは毎年恒例、みんな揃って記念撮影。新入生は手前の方に固まり、その周囲を先輩および先生方が(逃がさないように)取り囲む。大体これで獣医学科全体の7〜8割くらいだろうか。国立獣医はこのように非常にこぢんまりとした少数集団であり、それであるがゆえ、縦のつながりが大変強い。撮影はカメラマニアの解剖学講座の某助教授のお決まりの仕事で、本格的なカメラや反射板まで用意し、細かく並びの指示を出し、撮影時には「5924÷2962はー?」などとお決まりのセリフまでかましてくれるプロフェッショナルである。(しかし、現在彼は他の大学へ移ってしまったためこれらのやり取りがなくなったのは残念なことである。)
 記念撮影が終わるころにはすでに昼も1時を回っていてみんな腹がへりまくり。そこで弁当を食いながらしばし御歓談が行われる。30分ほどするといよいよ運命の時がやってくる。獣医学科、大学生デビューのその瞬間である。同期や先輩に好アピールを与えその後楽しいカレッジライフを送るか、地味な印象でひっそりとした生活を送るかはある意味ココにかかっているかもしれない。
 新入生は順番に一人づつ、みんなの前に仁王立ちとなり、その姿を上級生の前にさらすこととなる。そして新勧執行委員会に一服(日本酒)注いでもらい、それを飲み干さねばならない。1年生なら未成年者もいるんじゃないのというツッコミはここでは聞こえない。
(どうしても酒ダメな人はこっそり注ぐ人にいえば誤魔化してくれるかも) 遠くを散歩している人々に聞こえるほどの大音響にて自己紹介を行わなければならないのである。「じこしょおおぉおおぉかぁいぃいいをォォおおぉッ!させてぇぇェエえええェっッッ!いただきぃいいイィぃっっ!!まあああっぁっぁぁッァすすゥぅ!!!」と腹の底から叫ばなければならない。ついで出身高校、卒業年度、大学入学年度、名前を叫ぶ。途中つっかえたり、声が小さいと優しい先輩方から「もとい!」が入り、最初(日本酒)からやりなおしとなる。入学早々から社会の厳しさというものを教えていただけるのである。まずは、最初に先輩が見本を見せてくれるのだが、それに比べるとやはりまだまだ青い。声が出てない、自分を捨て切れていない。そんなことでは獣医学科6年間をやっていくことなどできないぞぅ!
挨拶
「自己紹介をー! させてー!!」
 その後、各自先輩方を喜ばすための趣向をこらした「一発芸」なるものを披露しなければならない。その模様はあまりにも凄惨な光景でありお見せする事は出来ません。一部例を挙げると、恥ずかしい歌とか踊りとか、ワサビの一気飲みとか、マスタードの一気飲みとか、火の玉お手玉とか、金魚の丸呑みとか・・・。しかし、近年はやりすぎだという声もあり多少緩やかになってきたとか。
 数時間かけて全員の自己紹介が終了すると最後に研究室紹介が行われる。のだが、はっきりいってこのころになるとみんな疲れ果ててそんなものはどうでもよくなってきている。これでようやくお開きとなるが、本番はこれからである。一同大学に戻ると、今度は各研究室が料理や酒を準備し、大役を終え無事学科の仲間となった新入生を向かえ入れ(ひきずりこみ)、夜ふけまで語り明かされる2次会が待っているのである・・・!





 ちなみに雨天の場合はいつもの海岸の近くにあるみやげ物屋の2階が宴会場になっていてそこで開催される。そう、雨天決行である。数々の難関をくぐりぬけ、ようやく入学してきたかわいい後輩達のため雨だろうが風だろうが歓迎会を中止するようなことなど許されないのである(実際は大勢で飲み食いして騒ぎたいだけ)。オイラは新歓コンパは6年回毎年行ったが、最後の6年生の時だけ雨天で室内開催となった。 (2001年4月開催)

会場
すし詰め状態の会場。
学科長挨拶
学科長様からのありがたいご挨拶。
誰も聞いちゃーいません。

 久々の屋内開催にどよめき、活気付く獣医学科生達。200人近くが所狭しとひしめき合い、まさに猫の子一匹入るスキマすらない!恒例の記念写真撮影が終了すると、獣医学科長様からの開会のおことばを頂き、会が始まる。屋外だろうが室内だろうが、やるこた同じで弁当を食いつつ、新入生の自己紹介が始まる。

NHK
決定的瞬間を逃すまいとするNHK。
 ところで、この年の新入生歓迎会はちょっとした事件が起こった! 何をどうまちがったのか、なんと天下のNHKが取材に来ちゃったのだ! 21世紀最初の新入生ってことで、未来を担う若者の抱負などを頂こうとはるばるやってきたらしいのだが・・・。彼らは知らない。本大学の新入生歓迎会というものがどういうモノなのかということを。
飲みます。
いただきます!!
自己紹介
自己紹介を〜させて〜いただき〜ま〜す!
仲良く自己紹介。
先輩がいれば心強い!

 NHKのカメラの見守る中、自己紹介が始まる。1年生の前にまず見本として2年生、すなわち昨年の1年生が自己紹介と一発芸を行う。さすがに先輩、しっかりと声も出ており、完全に自分を捨て切れている。人は一年でこうも成長できるものなのだ。当然、この見本の場合でも一発芸を行うのだが、さすがに1年間獣医学科でもまれた先輩だけあってハンパな芸では済まされない。確か昨年の先輩はお手玉にライターオイルを染込ませて火の玉お手(以下自粛)。今年は・・・今年もやってくれました!白衣を身につけ、さっそうと登場。白衣をバッとめくってみるとなんとその下には無数の爆竹が!「人間花火やりまーーーーーすっ!!!」そういって導火線に火を(以下自粛)。室内は大量の白煙につつまれ、窓全開で煙がなくなるまでしばし会は中断となった。。。
 さて、見本終了後は新入生の自己紹介がつつがなく進んでいく。ちなみにまれに同じ高校出身の後輩が入学してくることもあるのだ。そんな時は、当然かわいい後輩のため先輩として一肌脱いであげなければならない。一緒に前に出て、自己紹介を手伝ってくれるのだ!先輩から順番に自己紹介を行い、一発芸も一緒にやってくれる。これは心強い。先輩後輩のつながりもより深まるというものだ。

トノオカさん飲みます。
みんなの期待に答えて登場!
トノオカさん自己紹介します。
NHKもやるときゃやります。
 さて、こちら↑は本大学獣医学科OBであり、卒業後NHKに入社したトノオカさん(なぜ獣医師免許を取ってNHKへ・・・?)。当地方のNHKローカル番組ではちょっとした顔となっている有名人である。今回の取材メンバーの一員としてやってきていたのだが、みんなの声援に答えて自己紹介してくれました。さすがに大先輩だけあって気合の入った自己紹介を見せていただき、勉強になりました。
 延々3時間半、自己紹介と一発芸が続いていく様子はやる方も見てる方にもかなり拷問に近くなってくる。というか、時間とともにみんな出来上がってきて、周りもやかましくなり、後半半分は自己紹介なぞ、もはやなんも聞こえない。
 気が付いたらNHKはもういなかった・・・。さぞやあきれていたことだろう。もっといい画やコメントをもらえると思っていたであろう彼らが、その後編集でどこをどう使えばいいのか頭を悩ませていたであろう事は想像に難くない。この模様は後日、NHKローカルニュースでちょっと放映されたらしい。

P.S こんだけやっといて下のみやげ屋さんの営業妨害にはならかったのだろうか・・・?





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